沙耶の唄
心理劇という名の狂気を描く物語が好きな自分としてはやはり見てみたいと思いやってみました。18禁、あとカニバリズムネタがあるのでご注意。
沙耶の唄でカニバリズムネタのトラウマがある人はというくだりで、実は松本洋子さんの魔物語を私も幼少期に読んでいて、その日恐怖のあまり食事ができなかったことを思い出しました。松本洋子さんの作品は当時、少女漫画に掲載していいのかーというような内容ばかりでした。それぐらい昔は老若男女恋愛ホラーオカルト推理と少女漫画と銘打ってよいのか分からないほどジャンルに富んでいたことを憶えています。
イリヤの要素
は、つまり相手がロリっ子なわけですが、そういう要素も相まって狂気の連続がごろごろごろごろと出てきます。ほのぼのするシーンもほっとするシーンも一切なく、一気呵成に一息つく暇すら与えず読ませる話。余計なものがないので狂気の描写だけを丹念にじっくりと読みたい人におすすめだと思います。FateのHFルートが好きという人にもおすすめ。
現実として狂気ではあるのだけれどそれは本当に狂気なのだろうか、と自分の世界観や認識を根底から覆す事態に主人公は陥っていくわけですが、その認識の変貌の様相を描く過程が狂気描写込みで凄まじい。
どこまでもどこまでも人間の無力さや狂気を目の当たりにしそれでも尚希望に縋ろうというような、そういう生物としてではなくてもいいからただ自分として在りたい、生きたいという生き汚さが好きです。狂気と愛は紙一重で合わさっており、それをどちらに感じるかは単なる認識の違いに過ぎない、と思わせるような世界観。FateのHFルートでもその辺りが途轍もなく好きだったりします。
このような終わり方はまるでシナリオを投げ出したかのように感じられることが大半ですが、そんなことを感じさせない筆致。
私が恋愛を語るなら、いちゃラブものよりも、人間としての狂気がまず先だってあり、そこに一人の人間だけを想った記憶があるというような想いが好きなんだろうなぁと思います。その両者が結ばれても結ばれなくてもその記憶が彼らの中にあるのならどちらでもいいというような考え。すごい歪んでますが。
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