無限のリヴァイアス

解説

リヴァイアスは流した涙の分だけ、微笑んだ数だけ優しくなれるアニメだと思う。

十五少年漂流記と蝿の王をモチーフにしながら、現代の少年少女の共感を得る物語が構築されている。

この物語で想像できるのが現代でのいじめ学校の閉鎖性だろう。日本の義務教育はリヴァイアスや蝿の王のような物理的な閉鎖ではないが、精神的な閉鎖がある。リヴァイアスはそのような精神的な閉鎖、子ども達だけで構築された社会と物理的な閉鎖を双つ持ち合わせている。

その閉鎖の中で人間や人間の集団がどのように考えどう行動していくのか。一人一人考えながらも未来が見えない。頑張っても頑張っても努力は実らないかもしれない。そんな不安が子ども達を襲う。それはまさに今の学校の状況そのものではないだろうか。

今学校という社会にいる子ども達にとってはまさに同感するものがあるであろうし、拒否反応を示すものがあるだろうと思う。それが作中の暴力描写や残酷ないじめの描写である。

子ども達だけの社会の中、なにかのへまを犯したり、集団の規律を破るような人間は簡単に制裁される。そうやってどこかで犠牲者を出しながら子ども達の社会はどんどん加速していく。

そのような絶望的な状況下で子ども達がどんな行動を選択し、どんな未来を掴んでいくのかは、是非作中で観てほしい。

感想

リヴァイアス最終回前の場面を思い出しながら自分に問い掛ける。

「みんな、投降しよう。今はそれが一番だと思う」

「相手は本気でやってきてんだ!」

「分かってる、それでも投降したい。イクミ…もう限界だ」

「何言ってんだよ、お前……」

「まだ良い人気取りかよ!」

「どうしてそんな事言うの?もうすぐ私たちの未来が見えるというのに、まだ過去に縛られてるの!?」

「過去は捨てられない……。過去があるから、今の俺がある。ファイナ……辛い事があったとしても、過去を糧にしてその先を見るんじゃないのか」

「──違う! 尾瀬君、撃って! 私の過去を断ち切って!」

「……断ち切ることなんて出来ない。過去は…消えない!」

(中略)

「今のやり方じゃ、お前の理想は実現できない」

「俺のやり方が間違ってるというのか!」

(中略)

「肩肘張っていきたくないんだ。好きにしてたいんだ。ミスって落ち込んで、怒ることもあるけど、でも俺は、そんな俺でもいいと思ってる。例え、傷ついても……俺は、誰かを傷つけたくなんかないんだ」

無限のリヴァイアスで咽び泣いてしまう場面。自分に拳銃が突きつけられているのに、相手を許すように微笑みながらこんなこと言う。もう泣くしかない。

投降するとか負けるとか、そんなことは本当は重要ではないのかもしれない。本当に大事にすべきものは隣にいる人や大事にしたい人だ。昔から言い尽くされてきた、本当に当たり前のことだ。こんな大事な事を忘れてしまうのは人間が感情の生物だからなのだろう。おれであるためにという題は、自分が人間らしく生きるためにという意味なのかもしれない。

何が大事なのかを見失って、攻撃的になることや他人を傷つけてしまいたい気持ちになることがある。それはどうしようもないのかもしれない。それでも考えて考えて、自分の心を優しくする努力を怠ってはいけないのだろう。出来るときに出来る事をしたい。出来る事をしても、それでも尚間違っている事をすることもあるだろう。

「オレたちにできることを、オレたちなりにやればいいじゃないか。掴むのは未来じゃなくて明日でいい。それで十分だと、オレは思うけど」

(中略)

なんかさ、思うんだ。うまくいかないことってしょっちゅうあると思うし、毎日のようにむかついたりしてる。そういう流れは変えられないんだよな。

でもさ、そうじゃないんだ。

その中でも俺らは考える必要があると思う。

黙ってやってくる未来は明日には繋がらない。

そんな明日なんか、俺はいらない。

それでも決してそれは無駄ではない。誰かにその意志は伝わり、拡がっていく。

製作者サイドの、自分の作品に詳しく言わない姿勢に敬礼する。この作品を世に出してくれたことに改めて感謝。

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